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  • 2026.4.21

    「春の花を、水に宿す。——エルダーフラワー蒸留会 2026年4月 開催レポート」
    「春の花を、水に宿す。——エルダーフラワー蒸留会 2026年4月 開催レポート」

    春のはじまりに、エルダーフラワーを蒸留しました。フランスの野山で採取・乾燥された花を高槻本校に持ち込み、大型蒸留器を組み上げて、ゆっくりと時間をかけてイドロラを取り出す——そのプロセスはまるで、植物との対話のようでした。


    エルダーフラワーとの出会い

    水に戻したエルダーフラワー

    今回使用したのは、フランスの採集者マリさんが免許を持って野生地で摘採し、丁寧に乾燥仕上げた高品質なエルダーフラワーです。先生は「エルダーフラワーの蒸留は私も初めて」と話しながら、乾燥花を水に戻す作業からていねいに進めていきました。

    蒸留の約2時間前に温水を注いで花を戻すのが今回の方法。蒸留器には花が「泳ぐ」ように余裕を持たせて充填することが大切で、ギュウギュウに詰め込まず、水が全体をやさしく通り抜けられるよう気を配ります。乾燥させた素材を使うのは、生の状態では時に不快な臭いが出ることがあるためで、乾燥することで香りの成分が安定して抽出できるのです。

    フランスの採集文化について
    フランスでは植物採集に免許制度が設けられており、採集者は植物学の知識と現地での識別・採取・乾燥の実技試験を経て資格を取得します。群落の3分の2を残しながら採取するという倫理規範も徹底されており、「次の世代に残すために、採る量を自ら律する」という考え方が根づいています。


    大型蒸留器を組み上げる

    蒸留前の準備・説明の様子

    当日は小型蒸留器の容量が足りないことが判明し、未使用の大型蒸留器に切り替えることに。部品が足りないというアクシデントも片付けの最中に解決し、参加者みんなで協力しながら器具を組み上げました。蒸留会の醍醐味は、こうした現場の試行錯誤そのものにあるのかもしれません。

    使用した乾燥花は約350g。火入れは午前10時45分ごろ、ハイドロゾルは良好な立ち上がりを見せ、「綺麗に出ている」と先生も表情を緩めました。採れたイドロラの香りは先生が「優しく素晴らしい」と表現するほどで、精油はほとんど採れないながらも、花の芳香はイドロラにたっぷりと宿っていました。


    蒸留の実践

    蒸留器を操作する先生

    蒸留が進むなかで、先生はpHの測定値(5前後の酸性域)を示しながら、「肌への安全性」という観点でイドロラの使い方を解説しました。弱酸性のハイドロゾルは肌のpHに近く、スプレーやコットンパックとして顔まわりに直接使いやすいのも特徴です。

    終了後は器具の洗浄・乾燥・収納に丁寧に時間をかけました。細管類のアルコール洗浄、ホースの乾燥、部品の整理——これもまた、次回の蒸留会を気持ちよく迎えるための大切な作業です。


    エルダーフラワーの力——イドロラとしての活用

    エルダーフラワーのイドロラは、肌への直接的な作用だけでなく、感情や心理的な側面にも穏やかに働きかけると先生は話します。自分の中に知らず知らず築いてしまった「見えない壁」を認識し、緩やかにほどいていく手助けをしてくれる——そんな香りです。

    実用的な場面では、目の充血や季節性のアレルギー症状への外用、空間スプレーとしての使用など、日常の中で幅広く取り入れられます。また、発熱時の発汗サポートという伝統的な使い方も、ドイツのコミッションEやWHOが認めた確かな知見に基づいています。

    イドロラの保管について
    エルダーフラワーのイドロラは、蒸留後2〜3週間ほどで香りが落ち着きます(熟成)。保管は冷蔵庫を避け、家の涼しい日陰の場所で。温度変化の繰り返しが品質劣化と菌繁殖のリスクを高めるため、開封後は早めに使い切ることをおすすめします。目安の消費期限は保存状態により異なりますが、概ね1年を目安に。


    ドミニク先生からのコメント

    満面の笑みのドミニク先生

    理論と実習、そして笑いが同居するドミニク先生の講座。この日も、現場で長年培ってきた知恵とユーモアが随所に光りました。

    初めての蒸留と、植物の泳ぎ方

    「はっきり言って、皆さんと同じで、エルダーの蒸留は初めてです。うまくいかなかったら皆さん逃げてください(笑)」

    「植物は泳いだ方がいいです。こんなギューギューじゃなくて。やっぱりこのくらいでたっぷり入れてあげる」

    「乾燥させた方が香りがいい。生の時は時々臭いの。だから乾燥推奨です」

    乾燥は技術、採取は倫理

    「乾燥ってすごい技術です。どんなにいいものを取っても、乾燥次第で台無しになる可能性があります」

    「次の世代に残すために、採る量を自ら律する。それがフランスで免許制度を作った理由です」

    熱と植物の使い分け

    「39℃はただ体が一生懸命戦ってるっていうことです。だから、熱が上がり切って、ここで発汗させて下げる——そこでエルダーが活きる」

    「一つの成分が効くのではなく、周りの成分が活かしてこそ効く。ブレンドするのはそういうことです」


    Distillerie · 季節の植物を学ぶ蒸留会

    次回以降の蒸留会はこちら

    季節の植物を手で蒸留し、イドロラ(ハーブウォーター)を自らの手で取り出す体験。
    次回は春から初夏の植物たちと出会います。

    日程 植物 申込
    4月23日(木) ジャーマンカモミール 申し込む
    5月20日(水) レモンの花 申し込む
    6月3日(水) ベチバー 申し込む


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    文責:アロマ・フランス コレッジ
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    https://www.aromafrance.net/

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